平成28年12月に新潟県糸魚川市で飲食店のコンロの消し忘れが原因による大規模な火災が発生し、147棟の建物が焼損しました。これに伴い小規模な飲食店にも消火器の設置を義務付けるよう消防法施行令が改正されました。

総務省消防庁リンク

 消防法施行令の一部を改正する政令等の公布について

 消防法施行令の一部を改正する政令等の運用について

    

消火器の設置が必要となる飲食店

 現在、延べ面積150平方メートル以上の飲食店に消火器の設置が義務付けられていますが、延べ面積150平方メートル未満の小規模な飲食店にも消火器の設置が必要となります。

 

 消防法施行令別表第一3項(飲食店)の用途に供される防火対象物が該当します。

 ※16項(複合用途)に該当するもので3項(飲食店)の用途に供される部分を含みます。

 あなたのお店に消火器はありますか?一般財団法人日本消防設備安全センター)

 

施行期日

 平成31年10月1日から消火器の設置が義務となります。

 

消火器の設置が免除される場合

 厨房などに設置された火を使用する設備又は器具に※防火上有効な措置をしている場合は、消火器の設置が免除されます。

 

※防火上有効な措置とは…

 1 調理油加熱防止装置(SIセンサー)が設けてある場合

 鍋等の温度の過度な上昇を感知して自動的にガスの供給を停止して火を消す装置をいいます。

 ※鍋等の吹きこぼれで火が消えた場合に、ガスの供給を停止しガス漏れを防止する立ち消え防止安全装置は該当しません。

   

         該当 調理油過熱防止装置          非該当 立ち消え防止安全装置  

 2 自動消火装置が設けてある場合

 厨房設備における火災を自動的に感知し、消火薬剤を放出して火を消す装置のことをいいます。

 3 圧力感知安全装置が設けてある場合

 過熱等によるカセットボンベ内の圧力上昇を感知し、自動的にカセットボンベからカセットコンロ本体へのガス供給を停止することにより火を消す装置のことをいいます。

  

4 IHコンロのみを使用している場合

 熱源が電気のみのIHコンロは、火を使用する設備または器具には含まれないため、消火器の設置は必要ありません。

   

消火器の点検について

 消防法令により設置が義務付けられた消火器は6か月ごとに点検して、その結果を1年に1回所定の様式で管轄する消防署に報告する必要があります。

 自ら行う消火器の点検報告パンフレット(総務省消防庁)

 

消火器の点検結果報告書の様式

 下記の様式に記入し、管轄する消防署に報告してください。

 消防用設備等点検結果報告書(doc形式:108KB)

 消防用設備等点検結果報告書(pdf形式:239KB)

 

消火器点検アプリ(試行版)

1 目的

 消防法令により設置することが義務付けられた消火器は、定期的に点検し、消防署等に報告する必要があります。
 本アプリは、平成31年10月1日から施行される消防法施行令の一部を改正する政令等により新たに消火器具の設置が義務付けられる小規模な飲食店等の関係者の方々が、御自身で消火器の点検と報告書の作成を行うことを支援するためのツールの一つとして提供するものです。

 

2 概要

 本アプリは、写真等を用いた案内により、消防法令に規定する点検項目の基準に適合しているかどうかを選択するとともに、その点検結果を消防法令に定められた報告書の様式に反映しPDFファイルとして出力することができるアプリです。

 ※現在のアプリは、試行版です。一定期間の検証を経た後に本運用を開始する予定です。

 

3 ダウンロード

 「AppStore」や「GooglePlay」で「消火器アプリ」と検索のうえ、ダウンロードが可能です。

 このアプリは、iOS11以上のiPhone及びiPad、AndroidOS7.0以上のスマートフォン及びタブレット端末で利用可能です。

  消火器点検アプリのダウンロードはこちら(総務省消防庁) 

 

4 アプリの主な機能

 (1)建物の名称、所在地、用途、消防用設備等の基礎情報等を入力して初期登録をする。

 (2)初期登録された情報に基づいて半年ごとに点検を実施し、1年ごとに報告するよう知らせる。

 (3)点検をする際、アプリ上の点検実施画面の案内に従って消火器の不良な状態を例示した写真などを閲覧し

 ながら点検基準に適合しているかどうかを選択する。

 (点検の結果、不良箇所があれば取り替え等の措置を案内します。)

 (4)アプリ上で、入力された内容を消防用設備等点検結果報告書(消防法令に定められた様式)に反映して

 PDFファイルとして出力する。

 

防炎物品の使用が必要

 お店に設置するじゅうたん、カーテン、のれん等は防炎物品を使用する必要があります。

 防炎物品は防炎性能、「燃えにくい性能」を有しており、壁や天井への燃え移りを遅延させます。

 カーテンやじゅうたんなどの繊維製品を防炎化するには、次の2種類があり防炎マークが接着されます。
 1 繊維素材そのものに防炎性能をもたせるもの
 2 繊維製品にしてから防炎薬剤で防炎処理加工をするもの

 

厨房における火災予防の広報用映像

 火災予防のポイント 厨房に潜む危険を知る(総務省消防庁)