ダイオキシン類は、意図的に作られる物質ではなく、ものの焼却の過程などで自然に生成してしまう物質です。また、通常に環境中や食品中に含まれている物質です。
ダイオキシン類は、「青酸カリよりも毒性が強く、人口物質としては最も強い毒性を持つ物質である。」といわれることがありますが、これは、日常生活の中で摂取する量の数十万倍の量を摂取した場合の急性毒性のことです。実際に環境中や食品中に含まれる量は超微量ですので、私たちが日常生活の中で摂取する量により急性毒性が生じるような、すなわち、誤って飲み込んで急性毒性が生じるといった、事故が起きるようなことは考えられません。
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ダイオキシンとは
ダイオキシンとは、ポリ塩化ジベンゾーパラージオキシン(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)をまとめてダイオキシン類と
呼び、コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)のようなダイオキシン類と同様の毒性を示す物質をダイオキシン類化合物と呼んでいます。ダイオキシン類対策特別措置法においては、PCDD及びPCDFにコプラナーPCBを含めて”ダイオキシン類”と定義されています。なお、ダイオキシン類の濃度は、毒性等量(TEQ)で表します。
ダイオキシンの特徴
- 親油性
- 脂肪分の多い魚・肉・乳製品に多く含まれる
- 水に溶けにくい
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- 埋立浸出液に対する影響、水源に対する影響
- 土壌に対する影響、底湿への影響
- 体内動態
- 半減期が長い
- 安定性
- 紫外線によって分解
- 発生源
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- 過去に使用した農薬に起因
- 従来の焼却施設や各種産業施設等で、炭素・酸素・水素・塩素が熱せられるような過程で自然に生成
- 過去に製造されたPCB製品が流出
ダイオキシン類の摂取量
私たちは、食事や呼吸等を通じて、毎日平均して体重1キログラムあたり約1.06ピコグラムのダイオキシン類を摂取しています。これは、安全の目安となる指標であるTDI(体重1キログラムあたり4ピコグラム)を下回っています。
(注意:ピコグラムは1兆分の1グラム)
- ダイオキシン類の耐容1日摂取量(TDI)
- TDIとは、生涯にわたり摂取しても健康に対する有害な影響が現れないと判断される1日体重1kgあたりの摂取量です。
- TDIは、生涯にわたって摂取し続けた場合の健康影響を指標とした値であり、一時的にこの値を多少超過しても健康を損なうものではありません。
- TDIは、最も感受性が高い胎児期の影響を指標としているので、子供や大人に対してはより安全サイドに立った数値です。
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